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【読書感想】世界から猫が消えたなら 読んでみた

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猫大好きのkendamaです。

猫好きならスルーはできないタイトル、「世界から猫が消えたなら」を読んでみた。

小説の内容も書くので、気にする人は見ないほうがいいかもしれません。

世界から猫が消えたなら (小学館文庫)

世界から猫が消えたなら (小学館文庫)

 

 

前回の記事を見ていない人もいるかもしれないから、今後いくらかはこの文面残しておきますね。今後の記事には僕の好きな曲を埋め込んでいきます。記事を読む時間が3〜5分として、1曲程度。暇しないようになればいいな〜と思います。


BUMP OF CHICKEN 「 K 」

前から読みたい読みたいと思いつつ、購入はしていたけど本棚に眠っていたこの子。映画もやるということで、うお、それまでには読んどかなあかんでしょと、手に取った次第です。佐藤健、適任ですね。猫とのツーショットが似合う。僕が読んだ時は、脳内主人公、佐藤健でした。カックイイぜ。こにゃろう。

あらすじ

主人公のボクは医者に脳腫瘍で余命わずかと宣告される。そんなところに現れたのが、自分にそっくりな悪魔。「あなたは明日死にます」と宣告。ただ、世界から何かを消せば1日生きながらえることができる、と告げられる。電話、趣味の映画、父の仕事に関わる時計、大切なものを消しながら1日、また1日と生きながらえていく。消した後の世界はどのように変わっていくのか。その中でボクは何を思うのか。

一言で

コンセプトは面白かったです。考えさせられるテーマがちらほらあり、個人的には楽しめました。ただ、いかんせんボリューム不足。面白いテーマを扱っているにもかかわらず、深堀りしないまま次に次に進めてしまっていて残念。あと、辻褄が合わない部分がちらほら見られたのも残念。

良いとこ

消した(消そうとした)もののチョイス

携帯=彼女との大切なつながり。映画=自分、彼女、親友の大切なもの。時間=父の職業(時計屋さん)。猫=家族。自分=自分。彼女から家族、自分とどんどん身近なものに関わるものを消していく話になっている。ように思えた。僕だったら何が当てはまるかな、それがなくなったら生きていけるかなと、考えさせられた。それに、消したからこそ生まれてくるもの、気づくものもあるなと再確認できた。然り、生まれてきたから無くなったものもあるということに気づいた。自分の生活からあえて外すことで、新しく見えてくるものも色々ありそうだなと勉強になった。

また、携帯=もの。映画=文化。時間=概念。猫=命。自分=自分。とも取れる。いやー、コンセプトは本当にいいよ。これらと自分の命との葛藤。消した後の世界。もっと深く描いて欲しかったなぁ。

携帯を消すくだりで

二人の時間の大切さ、相手だけを考えている時の幸せな感じ。再認識できた。

主人公、(元)彼女と会って話すと口数が極端に減ってしまう性格のようなんだけれど、電話では本領発揮、饒舌に。彼女本人からも、良かったところはどことの質問に、電話してる時のあなた、と言われるレベル。

この電話越しだとうまく話せる。納得。なぜなら僕もそうなるから笑。

普段面と向かって話していると、表情、仕草、視線、シチュエーション、もちろん声も、いろんな情報が入ってくる。相手何考えとるかなーとか、この場で言うのもおかしいかなーとかいろいろ考えちゃうきがする。その点電話だと、声のみに集中出来る。相手が話してる時は、その話のみに集中出来るのと、自分が話す分にはなんだか自信持って話せる。ネット上の会話がちょっと強気になるのと似た様な感覚かな。相手の反応、特にネガティブなところに目を向けないでいいというか。それに、電話してるってだけで僕と話すために時間使ってくれてるっていうポジティブな面を確認できるし。

視野を広く広くと意識しがちだけれど、大切な誰かと一緒の時にはあえて視野を狭くするのも大事なのかなと思った。

母が最後に残した手紙

最後にしたい10のこと。が作中に出てくる。それをやろうとしたが、やりたいことは1つだけだと。(正確には2つ)。それに関わることを10書いていた。これは感動した。読んでみてほしい。

他にもいろいろあったけれど、今でてこない。

悪いところ

話が浅い。これに尽きる。良いコンセプトを活かすための深堀りができていないのが何より残念。何かを消した後もさっぱりしすぎていたし。辻褄合わないところも。消したものに対して、主人公だけがその概念を引き続き持っているから辻褄が合わなかったのかもしれない。

個人的には、主人公からも概念を消してしまって、悪魔が第三者の立場から世界の変わりようを解説してくれるような話だったら、もっと楽しめたろうな。というか、そんな話が読んでみたかった。

特に浅いなと思ったのは、映画を消すところ。親友は人生映画にかけてる人、彼女は映画大好きで映画館の上に住んじゃってるような人。それなのに消して、何事もなかったかのように先に進んでしまって。その後を案じる描写もあまりなかった。

他に、消すものの決め方が雑なところ、交渉ができそうなのにやらないところ。猫が突然話し出すところ(会話できちゃまずいでしょ、意思疎通できちゃ、猫じゃないやん、人みたいで気持ち悪かった)。主人公物忘れひどすぎ(脳腫瘍のせい?)なところも気持ち悪かった。

あと、これは勘違いかもしれないけれど、消さないと次の日死んじゃうんじゃないの?最後、生きてない?消す(誰かのものすごく大事なもの、生きがい、もしくは存在そのもの)or自分が死ぬという究極の選択をしてるんじゃなかったの?

と、面白そうでもやもやが残る作品でした。後の世界(めちゃむずいと思うけど)と、後悔の念、消すか?いや、やばいだろ、でも消す!死にたくない!(あー消しちゃいましたねぇ。こんななっちゃいましたよーってわかんないか。罪な人だねぇ。(悪魔))ってのがみたかった。笑

というわけで、星ふたつっ!!